No.189【支店開設・事業所増加】労働保険・雇用保険・社会保険の取扱い」について
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〜とよひらの社労士通信No.189〜「【支店開設・事業所増加】労働保険・雇用保険・社会保険の取扱い」について
当事務所・武田が、木彫りをしているのですが、
出来上がったものが想像以上で驚いている
社労士法人とよひら 鎌田です。
今回は、
「【支店開設・事業所増加】労働保険・雇用保険・社会保険の取扱いについて」
について、お話しさせていただきます。
【事業所が増えたら、どのような手続きが生じるのか】
事業開始、雇用開始の際には、本社の住所で各種保険を成立させていると思います。
では、支店や別事業所を開設する場合は、どのような手続きが必要でしょうか。
実は、労働保険、雇用保険、社会保険で、それぞれ要件が異なります。
個別に見ていきたいと思います。
【労働保険の手続き】
労働保険は、原則として、すべての事業所で個別に成立させる必要があります。
このため、支店や営業所ごとに複数の労働保険が成立します。
ただし、一定の要件を満たす継続事業では、本社などで一括して事務手続き・保険料の申告などをすることができます。
これを「継続事業の一括」といいます。
「継続事業の一括」では、保険料をまとめて申告することから、「事業の種類」が同じことなどが要件となります。
保険料の計算などが一本化されるので、事務処理は軽減されますが、事業所ごとに、保険料を明確にしたい場合は、一括しない方が良いこともあります。
一括をした場合でも、労働保険番号は付きますので、支店ごとに労働保険は成立しています。
※ 本社と同じ管轄で、かつ、1名しか従業員がいない場合などは、労基署において労働保険の成立が受理されず、本社に含む対応となる場合があります。
【雇用保険の手続き】
雇用保険についても、原則としては、個別に保険を成立することになります。
ただし、一定の要件を満たせば、非該当事業所として認められ、本社の雇用保険で対応することができます。
<非該当承認基準>
(1)人事、経理、経営(又は業務)上の指揮監督、賃金の計算、支払等に独立性がないこと。
(2)健康保険、労災保険等他の社会保険についても主たる事業所で一括処理されていること。
(3)労働者名簿、賃金台帳等が主たる事業所に備え付けられていること。
(参考)雇用保険事務手続きの手引き P20「雇用保険事業所非該当承認申請」
「労働保険の一括」と異なり、非該当が認められた場合には、支店等には事業所番号は付きません。
【社会保険の手続き】
社会保険は、人事や給与管理などに独立性がある場合に、保険関係が成立します。
このため、本社で人事や給与管理などを行っている場合は、原則として、本社のみで社会保険が成立します。
・雇用保険は、原則、保険成立で一定の要件を満たせば「非該当の承認」ができましたが、
・社会保険は、そもそも独立性が保険関係成立の要件 となります。
ただし、支店に独立性が認められ、事業所として成立すべき場合でも、一定の要件を満たせば「一括適用」を受けることができます。
【結局、どうすれば良いのでしょうか?】
小規模な企業が、数名の営業所を開設する場合は、以下のイメージと思います。
・労働保険 → 保険成立させ、継続事業の一括
・雇用保険 → 非該当承認
※ 人数増加が見込まれるのであれば、保険成立
・社会保険 → 本社の保険で対応
※ 人事、給与管理に独立性があれば、保険成立
判断に迷う場合は、お付き合いのある社労士や管轄官庁に伺っていただければと思います。
No.189〜「【支店開設・事業所増加】労働保険・雇用保険・社会保険の取扱い」について まとめ
ということで・・・
今回は、「【支店開設・事業所増加】労働保険・雇用保険・社会保険の取扱い」について、お話しました。
支店の保険関係については、企業でも対応は様々です。
小規模事業所で、きっちり複数の雇用保険を成立させていることもあれば、大企業の支店で、本社の雇用保険だったのを見たこともあります。
皆様も実態に応じて、御対応いただればと思います。
不明点や判断に迷う場合は、御相談いただければ幸いです。
引き続き、よろしくお願い致します。
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発行責任者:社会保険労務士法人とよひら
担当:特定社労士・中小企業診断士 鎌田 真行
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