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社会保険労務士法人とよひらのブログです

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No.253「【採用内定取消・試用期間満了での本採用拒否】」について

〜とよひらの社労士通信No.252〜「【社労士としての強み】」について

大学時代の研究室の恩師が退官され、記念講義が開かれるそうです。

私の担当教官は別なので、忘れられているとは思いつつ、普段会えない友人が道外から来るようで、ふらっと母校に遊びに行こうと考えている

社会保険労務士法人とよひら 鎌田です。

 

今回は、
「【採用内定取消・試用期間での解雇】」についてお話しします。

人手不足のなかで採用活動が難しくなる一方で、

「内定を出したが、不安な点が出てきた」

「試用期間中に、少し問題が見えてきた」

といったケースも生じます。

実務上は、

「内定なら取り消せるのでは?」

「試用期間中なら解雇できるのでは?」

と考えてしまいがちですが、注意が必要です。

 

【採用内定とは】

「採用内定」は、法律上は「始期付・解約権留保付の労働契約」と考えられています。

簡単に言うと、

・入社日から労働契約が始まる前提
・ただし、一定の事情があれば解約(取消)できる余地がある

という位置づけです。

 

そのため、

・内定=まだ契約ではなく、自由に取り消せる

という理解は、実務上は危険です。

 

【採用内定の取消が有効になるか】

採用内定の取消は、実質的には「解雇と同様に厳しく判断される」のが基本的な考え方です。

近年、採用内定取消を巡る裁判について新たな動きもありますが、概ね次のような点が重視されています。

<ポイント>

内定時には想定していなかった重大な事実が、その後に判明したか

その事実が、客観的に見て労働契約の継続が困難といえるか会社側に、事前の確認不足や調査不足はなかったか

たとえば、

・経歴詐称が後から発覚した

・健康状態について重大な虚偽申告があった

といったケースでは、内定取消が有効と判断される可能性があります。

一方で、

・面接時の印象と違った

・思っていた能力に達していない

・社風に合わないと感じた

といった主観的な理由だけでは、内定取消が無効とされるリスクが高いと考えられます。

 

【試用期間とは】

試用期間とは、「本採用を前提に、能力・適性を見極めるための期間」とされています。

そのため、

・試用期間中だから、まだ本採用前だから

という理由だけで、自由に解雇できるわけではありません。

解雇には本採用後と同様に、客観的・合理的な理由が求められます。

そのうえで、見極め期間であることを踏まえた判断がされる、という位置づけになります。

 

【試用期間満了での本採用拒否】

試用期間満了時に「本採用しない」と判断する場合、実務上は慎重な対応が求められます。

裁判例では、次のような点が重視されています。

・試用期間中の勤務状況、問題点が具体的か

・指導や注意を行い、改善の機会を与えていたか

・客観的に見て、能力・適性に問題があると言えるか

 

【よくあるNG例】

実務上、よく見かけるのが次のようなケースです。

・問題点を口頭で注意しただけで、記録を残していない

・「様子を見る」だけで、具体的な指導をしていない

・本人には伝えていない理由を、後から並べて説明している

・試用期間満了直前に、突然「本採用しない」と伝える

これらの場合、「本当に見極めをしていたのか?」と裁判で問われる可能性があります。

 

No.253~「【採用内定取消・試用期間満了での本採用拒否】」について まとめ

ということで・・・

今回は、「【採用内定取消・試用期間での解雇】」について、実務上のポイントを整理しました。

採用は、「人手が足りない」、「早く決めたい」という判断になりがちですが、早めの内定や試用期間中の対応が、後のトラブルにつながることも少なくありません。

もし、正社員での採用に懸念がある場合、可能であれば有期雇用から始めるなどの対応も検討いただければと思います。

不明点がございましたら、ご連絡ください。

引き続き、よろしくお願いいたします。
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発行責任者:社会保険労務士法人とよひら
担当:特定社労士・中小企業診断士 鎌田 真行
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